宅配便は小口貨物輸送の一形態 〔宅配便・輸送・テレビ〕

宅配便についての法律的な定義は現在まだ確立されていないが、慣習的に重量30キログラム以下の一口1個の貨物で、特別の名称を付して商品化された輸送サービスである「○○便」扱いのものとされている。

宅配便は、1973年の石油危機以後の低成長経済時代に入って、「軽薄短小」化といわれるような物流市場の状況のなかで、急激に拡大した小口貨物輸送需要に対応して、1個当り重量・サイズの小さい荷物の輸送に特化して発生したまったく新しい輸送システムである。

その経緯をみれば、まず東北地方の中堅トラック輸送企業である三八五貨物によって、74年に初めて開始され、76年には「宅急便」が、77年には「ペリカン便」、81年には「フットワーク」などがこれに続き、2001年度末現在では36業者の多きに達し、取扱い個数は約26億2583万個に上っている。

宅配便は、路線トラック輸送の一変種として発生し、以後、独自の発展を遂げたもので、その輸送システムは基本的にみて特別積合せトラックの場合と同じである。

特別積合せ輸送は、宅配便に比較してやや大きい貨物を、荷主の戸口から発ターミナルまで小型トラックで集貨し、そこで方面別に仕分け、輸送用大型トラックで着ターミナルまで輸送し、そこで配達区域別に仕分け、着荷主まで小型トラックで配達するという輸送システムや車両、荷物に関する高度な情報システムをもっている。

これに対し、小さい荷物のみを対象とする宅配便のシステムは、発荷主が最寄りの取扱店に荷物を持ち込むことによって、効率的な集荷を可能にし、安い費用で輸送できることにその特長がある。

運賃制度も一般大衆を対象とするために非常に簡単につくられており、重量建てでなく1個建てであり、距離制でなく輸送先地帯別であり、それぞれに固定額が定められている。
update:2010年02月25日